鎌倉紀行

平日に休みがとれたので、家人と鎌倉に行ってきた。目的は寺巡りと出来ればアジサイ鑑賞という欲張った企画。ルートは北鎌倉の円覚寺→鎌倉→江ノ電→長谷寺→鎌倉大仏→江ノ電→江ノ島という感じ。平日なので自由に望み通りの時間配分でイケると思いきや、同じこ…

三井記念美術館に行く

三井記念美術館で開催されている「西大寺展」を見てきた。初めて行ったので、東京駅から歩いたら結構あって驚いた。エレベーターで7階まで上がり、いかにも財閥三井が作りました的な展覧会場で仏教美術の粋を堪能した。西大寺は東大寺と並び、重要な位置づけ…

小栗康平監督作品『FUJITA』を見る

遅ればせながら、『FUJITA』を見ることが出来ました。かなり前に公開されていた時は仕事が忙しく見ることがきませんでした。ネットで情報を得ようとしたら、浅田彰のスキゾ的批評を見てしまい、映画を見る前からイヤな感じでの鑑賞となってしまった。オダギ…

Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band 50周年

この名盤について、今さら書き記すことは無い。今年、ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」がリリースされて半世紀経つ。それを記念した特別盤が発売された。おじさんの懐を直撃するこのような企画モノはレコード会社も自粛して欲しいのだが…

呉座勇一著『応仁の乱』を読む

とても売れているという本書は出たときから欲しいと思っていた。それは小生があまりに応仁の乱を知らなすぎたからである。知ってるつもりになっている応仁の乱の実像を解き明かすのが、本書の目的だとしたらかなり厳しい評価になってしまう。結局、分かりに…

久しぶりに横浜の「金沢文庫」に行き、昨年、国宝に指定された称名寺聖教・金沢文庫文書の一部を見てきた。何せ多岐にわたる中世の古文書群が2万点というのだから凄い。紙が大事な品である時代なので、裏書きなど当たり前で読みにくいが、それだけに貴重な史…

国立新美術館で「ミュシャ」展を見る

日曜美術館で知ったアルフォンス・ミュシャの展覧会を見てきた。GWの混雑は避けたかったが、日程上やむを得ず今日となってしまった。テレビで今回の展覧会は「スラヴ叙事詩」全20作がすべて見られると知って、出動することにしたのだった。正直言って、アール…

ブリューゲル「バベルの塔」展を見る

今日から東京都美術館で始まった『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展』を見てきた。副題にあるように「16世紀ネーデルラントの至宝−ボスを超えて」をたくさん展示していた。ヒエロニムス・ボスの独特の芸術も見ることが出来たが、画集などで…

「ロマノフ王朝展」に行く

本日、仕事終わりに東洋文庫ミュージアムで開催されている「ロマノフ王朝展―日本人の見たロシア、ロシア人の見た日本―」に行ってきました。学生時代に史料を閲覧しに行った時とは異なり、あか抜けた感じのキレイな建物になっていて、ミュージアムがあるなん…

『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』を見る

ハリー・ポッターの作者J.K.ローリング女史がシナリオまで手がけた作品が本作。舞台をアメリカに移し、アメリカの魔法世界での出来事を描いている。『幻の動物とその生息地』というハリーも使っていた教科書の著者ニュート・スキャマンダーが主人公の物語と…

松元ヒロ・武田美穂『憲法くん』

知る人ぞ知る芸人松元ヒロの絵本が出た。絵はがんこちゃんの武田美穂さん。姓は「日本国」、名は「憲法」。カタッ苦しいので憲法くんと呼ばれるキャラが自分の生い立ちや境遇を語っていくと言うネタの書籍化。今は亡き立川談志が自分の葬儀に芸をやらせたという…

ついに「この世界の片隅に」をみる

今年は忙しかったために映画館の上映に行く機会が少なかった。今回も無理かなぁと考えていたのだが、大ヒット上映中のために近くのシネコンでもやっていて、観ることが出来た。片渕須直監督作品「この世界の片隅に」という話題作である。絵のたおやかな感じ…

シドッチに会ってきた

江戸時代の日本に潜入した最後のバテレンことジョバンニ・バティスタ・シドッチのものと思われる骨が確認され、そこから復元された顔像が現在、上野の国立科学博物館で公開されている。この目鼻立ちで六尺近い身長では目立ったことだろう。新井白石が神父の高…

吉村昭『日本医家伝』を読む

シーボルト展を見て、どうしても娘の「おいね」の人生を知りたくて買い求めたのが、この本である。現在は絶版なので、古本で購入しアッという間に読み終えた。12人の江戸から明治にかけての先進的な医術を納めた人たちの人間くさい人生が判る作品となって…

「ポンピドゥー・センター傑作展」を見る

東京都美術館で開かれている「ポンピドゥー・センター傑作展」を見に行ってきた。山の日という祝日の割には空いていて、とても見やすかった。現代アートなので(私的には)苦手な展覧会だが、兎に角、見せ方が素敵で、企画の勝利である。1906年のドュフィ「旗で飾…

佐倉でシーボルト展を見る

本日、佐倉市にある国立歴史民俗博物館で開かれている「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」展を見てきた。小生の自宅からは比較的行き易かったのだが、何せ初めてなので戸惑うことも多かった。国立の独法にありがちな無闇矢鱈な広さと城址であるための坂に(…

「366日 命の言葉」−追悼・大橋巨泉

あって当たり前のモノやいて当たり前の人が亡くなっていくのは本当に辛い。こうなることを予期して、巨泉さんは「遺言」や「命の言葉」を残してきたのだ。選挙の結果を知らずに逝けてれば良いのだけれど、本当に歯痒い思いをしたことだろう。多くの人が巨泉さん…

安永幸一 『山と水の画家 吉田博』を読む

NHK「日曜美術館」で観た「木版画 未踏の頂へ〜吉田博の挑戦〜」という番組で、初めて吉田博という素晴らしい画家がいたということを知りました。その中で紹介されていた「劔山の朝」という作品にノックアウトされました。生誕140年を記念した展覧会が千葉で開か…

感謝・感謝・感謝

ラジオスターの永六輔さんが亡くなった。体調を崩され、パーキンソン病で思うように話せなかった晩年はどんなに不本意だっただろう。作詞家・タレント・司会者・作家ありとあらゆる肩書きを持つ永さんだが、やはり小生にとってはラジオのパーソナリティとし…

つらい「カラヴァッジョ展」をみる

今日、サクラ満開の中、上野の西洋美術館で「カラヴァッジョ展」を見てきた。駅のとんでもない混雑から諦めようかとも思ったのだが、美術館に行ってみるとウソのようにガラガラ。早速、チケットを買って中に入ってみる。確かに30歳台で亡くなった天才の作品が6…

キース・エマーソンに愛をこめて

私が最も愛してやまないロック・スターが亡くなった。キース・エマーソン。天才キーボードプレーヤーである。ビートルズで始まった私のロック人生は1970年代に多種多様な変容を遂げ、進化に次ぐ進化をしていくが、その最先端を行ってたのが彼が率いるELPだっ…

もう、それともまだ

あの日から5年が経った。本当に大事なことは何なのか忘れがちな、昨今である。もう5年なのか。いまだに仮設に住まわせていて。まだ5年なのか。彼のように苦しみを忘れずにいる人が多く居るのに。日々の生活やふざけた政治家のニュースや芸能人のスキャン…

ネメシュ・ラースロー監督作品「サウルの息子」を観る

アカデミー外国語賞となった(3月修正)ハンガリー映画を観てきた。曰く「観客を強制収容所のまっただ中に連れて行きたい」という監督の狙いは完全に成功している。カメラは異様なまでに主人公に近く、観客も常に主人公とともにある。背景はオートフォーカスでは…

2016センター入試感想2−「倫理・政治経済」−

次に「倫理・政治経済」(以下、倫政と省略)の感想を記す。 今まで思ってきたことだが、そもそも二つの科目を勝手に合成し「倫政」とするのはいかがなモノか。例年小問39問だったのが、政経を2問減らし37問と他の社会科とのバランスを計ったのが、どのような結果…

2016センター入試感想1−「日本史B」−

また今年もセンター入試が来た。例年通り、予備校の評価は難易度昨年並みの変わらずであるが、個人的な(長い)感想を以下に記したい。今年は初めに「日本史B」から。例年思うことだが、日本史をしっかり勉強してきた者には実に与しやすい科目である。そもそも2…

J.J.エイブラムス監督作品「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観

新年の恒例、映画鑑賞として今年は「スター・ウォーズ」シリーズ第7弾「フォースの覚醒」を選んだ。まあ、時間的に都合の良いのがこれしかなかったのが実情ではある。シネコンの悪い処は、評価の良い映画でも入りが良くないと隅の時刻(朝9時と夜7時からのよう…

「花燃ゆ」を見終わる

また大河ドラマを見てしまった。いい加減、連続ドラマに付き合うのは止めようと学習したはずなのに。。。一年間、見続けた理由はやはり吉田松陰の教えがどう引き継がれたのか(利用されたではなく)、を描けるのかを見たかったからと言えようか。視聴率は低か…

『ザ・ビートルズ 1+』を食す

われわれファンは何度でも、この手の商品に手を出してしまう。曰く「こんなビートルズ、見たことない! ″究極のベスト、究極のビートルズ“」。そして購入して満足してしまうのもファン心理。 兎に角、動いているビートルズは映画しか見たことが無いので、これだ…

「春画展」を見る

永青文庫で開かれている「SHUNGA 春画展」を見てきた。とてもブームになっていると聞いて、平日の空いてる時間帯を狙って行ってきた。やや混んではいたが、とても見やすい環境で良かった。細川氏の永青文庫は初めて訪れたのだが、都心なのにアクセスが厳しい。…

「まんがで読破 コーラン」を読む

このシリーズはマンガで哲学書などの難解な書物を分かりやすく解説したモノであるが、その作品の背景やどのような歴史的意義があるかを長々と説明しているモノが多い。ややもすると冗長になり、作品の純粋な解説になっていない場合が多いのが残念な結果とな…