2016-01-01から1年間の記事一覧

松元ヒロ・武田美穂『憲法くん』

知る人ぞ知る芸人松元ヒロの絵本が出た。絵はがんこちゃんの武田美穂さん。姓は「日本国」、名は「憲法」。カタッ苦しいので憲法くんと呼ばれるキャラが自分の生い立ちや境遇を語っていくと言うネタの書籍化。今は亡き立川談志が自分の葬儀に芸をやらせたという…

ついに「この世界の片隅に」をみる

今年は忙しかったために映画館の上映に行く機会が少なかった。今回も無理かなぁと考えていたのだが、大ヒット上映中のために近くのシネコンでもやっていて、観ることが出来た。片渕須直監督作品「この世界の片隅に」という話題作である。絵のたおやかな感じ…

シドッチに会ってきた

江戸時代の日本に潜入した最後のバテレンことジョバンニ・バティスタ・シドッチのものと思われる骨が確認され、そこから復元された顔像が現在、上野の国立科学博物館で公開されている。この目鼻立ちで六尺近い身長では目立ったことだろう。新井白石が神父の高…

吉村昭『日本医家伝』を読む

シーボルト展を見て、どうしても娘の「おいね」の人生を知りたくて買い求めたのが、この本である。現在は絶版なので、古本で購入しアッという間に読み終えた。12人の江戸から明治にかけての先進的な医術を納めた人たちの人間くさい人生が判る作品となって…

「ポンピドゥー・センター傑作展」を見る

東京都美術館で開かれている「ポンピドゥー・センター傑作展」を見に行ってきた。山の日という祝日の割には空いていて、とても見やすかった。現代アートなので(私的には)苦手な展覧会だが、兎に角、見せ方が素敵で、企画の勝利である。1906年のドュフィ「旗で飾…

佐倉でシーボルト展を見る

本日、佐倉市にある国立歴史民俗博物館で開かれている「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」展を見てきた。小生の自宅からは比較的行き易かったのだが、何せ初めてなので戸惑うことも多かった。国立の独法にありがちな無闇矢鱈な広さと城址であるための坂に(…

「366日 命の言葉」−追悼・大橋巨泉

あって当たり前のモノやいて当たり前の人が亡くなっていくのは本当に辛い。こうなることを予期して、巨泉さんは「遺言」や「命の言葉」を残してきたのだ。選挙の結果を知らずに逝けてれば良いのだけれど、本当に歯痒い思いをしたことだろう。多くの人が巨泉さん…

安永幸一 『山と水の画家 吉田博』を読む

NHK「日曜美術館」で観た「木版画 未踏の頂へ〜吉田博の挑戦〜」という番組で、初めて吉田博という素晴らしい画家がいたということを知りました。その中で紹介されていた「劔山の朝」という作品にノックアウトされました。生誕140年を記念した展覧会が千葉で開か…

感謝・感謝・感謝

ラジオスターの永六輔さんが亡くなった。体調を崩され、パーキンソン病で思うように話せなかった晩年はどんなに不本意だっただろう。作詞家・タレント・司会者・作家ありとあらゆる肩書きを持つ永さんだが、やはり小生にとってはラジオのパーソナリティとし…

つらい「カラヴァッジョ展」をみる

今日、サクラ満開の中、上野の西洋美術館で「カラヴァッジョ展」を見てきた。駅のとんでもない混雑から諦めようかとも思ったのだが、美術館に行ってみるとウソのようにガラガラ。早速、チケットを買って中に入ってみる。確かに30歳台で亡くなった天才の作品が6…

キース・エマーソンに愛をこめて

私が最も愛してやまないロック・スターが亡くなった。キース・エマーソン。天才キーボードプレーヤーである。ビートルズで始まった私のロック人生は1970年代に多種多様な変容を遂げ、進化に次ぐ進化をしていくが、その最先端を行ってたのが彼が率いるELPだっ…

もう、それともまだ

あの日から5年が経った。本当に大事なことは何なのか忘れがちな、昨今である。もう5年なのか。いまだに仮設に住まわせていて。まだ5年なのか。彼のように苦しみを忘れずにいる人が多く居るのに。日々の生活やふざけた政治家のニュースや芸能人のスキャン…

ネメシュ・ラースロー監督作品「サウルの息子」を観る

アカデミー外国語賞となった(3月修正)ハンガリー映画を観てきた。曰く「観客を強制収容所のまっただ中に連れて行きたい」という監督の狙いは完全に成功している。カメラは異様なまでに主人公に近く、観客も常に主人公とともにある。背景はオートフォーカスでは…

2016センター入試感想2−「倫理・政治経済」−

次に「倫理・政治経済」(以下、倫政と省略)の感想を記す。 今まで思ってきたことだが、そもそも二つの科目を勝手に合成し「倫政」とするのはいかがなモノか。例年小問39問だったのが、政経を2問減らし37問と他の社会科とのバランスを計ったのが、どのような結果…

2016センター入試感想1−「日本史B」−

また今年もセンター入試が来た。例年通り、予備校の評価は難易度昨年並みの変わらずであるが、個人的な(長い)感想を以下に記したい。今年は初めに「日本史B」から。例年思うことだが、日本史をしっかり勉強してきた者には実に与しやすい科目である。そもそも2…

J.J.エイブラムス監督作品「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観

新年の恒例、映画鑑賞として今年は「スター・ウォーズ」シリーズ第7弾「フォースの覚醒」を選んだ。まあ、時間的に都合の良いのがこれしかなかったのが実情ではある。シネコンの悪い処は、評価の良い映画でも入りが良くないと隅の時刻(朝9時と夜7時からのよう…