2016センター入試感想1−「日本史B」−

take-bow2016-01-17

また今年もセンター入試が来た。例年通り、予備校の評価は難易度昨年並みの変わらずであるが、個人的な(長い)感想を以下に記したい。今年は初めに「日本史B」から。

例年思うことだが、日本史をしっかり勉強してきた者には実に与しやすい科目である。そもそも25分もあれば小問36問すべて一通りは解けるはずという点から、公民系の科目を苦労して格闘した受験生諸君には信じられないと思う。特に選択肢の文の短さは特筆すべきだろう。倫理政経では1問に5行も使っている点とは大違いである。今年の日本史Bを易しく感じたのは公民系を解いた後だったという個人的な事情があるのかも知れない。確かに地図を利用した問題や文化史からの出題が増加したように感じた。また、テーマが斬新なモノが多く、受験生諸君には取っ付きにくかったかも知れない。以下、各論(番号は小問)。
1.これに悩む人は日本史は採らないように。2.X誤Y誤を正解にするには引っかけが厳しい(迷わない)。いくら何でも『古事記伝』は無いだろう。3.近現代史の学習が進んでいないと引っかかるかも?常識力を働かして欲しい問題である。4.これもどこに悩むのだろう、謎である。5.大唐米で悩ませる点は上手いが、○4「買い占め」→「暴落」とは国語的語彙力の問題だろう(笑)。5.Yの「市川房枝」「新婦人協会」が迷ったかも。7.文化史なので苦手な人も居るだろうが、基本中の基本なので押さえておこう。8.史料問題は画期的といって欲しいのだろうが、X律令における女性の税負担とY多賀城が東北と知っているかだけの問題だ。9.藤原氏の政治関与は政治史の肝なのでキチンと押さえよう。10.史料問題だが、キチンと読めているかと752年を理解しているかを聞いている問題。11.基本問題。12.並べ替え問題は、日本史の中では難易度の高い問題なのでキチンと復習しておいて欲しい。13.これもムリ、迷わない。14.資料に絵が使われているが有名すぎる。これも基本。15.「北条義時」「本地垂迹説」「南無阿弥陀仏」が誤り。これも基本。16.史料2が初見という人も6回あるので六斎市を思い出すはず。17.ローマ数字1とローマ数字2の順で迷う人が居るかも。18.「大湊」が「城下町」は厳しい。19.○2に引っかかる人が居るのだろうか?謎である。20.地図問題。b阿波c桐生?で引っかけ。21.「強化」を読み落とす人が居るのだろうか。謎。22.文化史の著作シリーズだが、基本問題。23.初見の史料問題。ただ、この種の組合せ問題を難しいと思う人は居るのだろうか。公民系との差は激しい。24.シドッチを尋問したのは新井白石。25.やや難しいが、イの空欄の後のリード文に「郡・区」「町・村」とあるので引っかけるのは至難の業であろう。26.「戊辰戦争のさなか」にだけ注意。27.Xロエスレルは民法だけだと思って引っかかった人が居るだろう。これは上手い。28.並べ替え問題だが、基本中の基本。29.近現代史をキチンと復習している人には易しいだろう。不戦条約があったのに第二次大戦があったことを心して欲しい。30.文化の資料問題で,難しかったかも。甲のポスターにある「川端康成」に注目。川端もまさかあの世で「プロレタリア文学の」作家にされるとは思ってもみなかったことだろう。31.並べ替え問題。ローマ数字2の「塘沽停戦協定」の位置で迷った人は、1932年の3月「日満議定書」→5月「五・一五事件」から類推しよう。32.○2日本内地への「移出を禁じた」防穀令って、もはや存在矛盾。33.戦前から「美空ひばり」がラジオ出演していたら驚くことだろう。34.組合せ問題の易しさはaかb、cかdのどちらかが必ず正しいかのが判ってるからであろう。35.これも組合せ問題。悩まないだろう。36.地図の組合せ問題。dを岩手県にする理由が分からない。せめて大阪府にすべきだと思う。bの富山はイタイイタイ病