ブリューゲル「バベルの塔」展を見る

take-bow2017-04-18

今日から東京都美術館で始まった『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展』を見てきた。副題にあるように「16世紀ネーデルラントの至宝−ボスを超えて」をたくさん展示していた。ヒエロニムス・ボスの独特の芸術も見ることが出来たが、画集などでよく見る作品では無かったので温和しめだ。ピーテル・ブリューゲルの版画も展示されていて、細かな表現を好む画家の姿勢を堪能できる。しかし、本展の価値は、ひとえに小バベルともよばれるボイマンス美術館所蔵「バベルの塔」を間近に見ることが出来る至福の時を過ごせる点である。本日は比較的空いていて、愛用のモノキュラーで細部の一人一人を確認すること出来た。旧約聖書の有名なエピソードの画像化なのだが、海の部分の舟がレンガ?を運ぶ様はまさにネーデルラントの風景であろう。作業員の生活の場である地上にはため池や農作業の様子や住まいも描かれている。クレーンで上階に資材をつり上げているシーンや鳶さながらの木組みを組んで上っている様子は実にリアルである。正直、もっと大きい作品だと思っていたので、モノキュラーが無ければ細部まで堪能できなかっただろう。見に行かれる方は双眼鏡などの用意をお勧めします。