国立新美術館で「ミュシャ」展を見る

take-bow2017-04-29

日曜美術館で知ったアルフォンス・ミュシャ展覧会を見てきた。GWの混雑は避けたかったが、日程上やむを得ず今日となってしまった。テレビで今回の展覧会は「スラヴ叙事詩」全20作がすべて見られると知って、出動することにしたのだった。正直言って、アールヌボー的なパリ時代のミュシャだったら見に行かなかっただろう。無知なことに、こんなに骨のある作家だとは知らなかったのである。「原故郷のスラヴ民族」から始まってもの凄い大作が20枚も並ぶと圧巻だ。そのテーマはまさに20作目の「スラヴ民族の賛歌」である。のちの彼の人生を思ったとき、この作品に込めたものこそミュシャという画家の本質である。売れっ子時代のいかにもなポスター群とはあまりに差があると思われる。これだけの作品を一挙に公開する難しさを理解した上で、あえて苦言を呈するなら、やはり作品を順番通りに並べた状態で見たかった。また、一部屋に一ないし二作品までに限定して頂けると別の作品を見る人とクロスするような混雑状態にはならなかっただろう。そんな辛い状態でも見ておかないと、美術ファンなら損をする紛れもないホンモノの展覧会である