名曲・名盤 スーパー・ギタートリオ「フライデー・ナイト・イン・サンフランシスコ」

take-bow2006-07-25

三人のスーパー・ギターリストがコラボったアルバム。パコ・デ・ルシアアル・ディ・メオラジョン・マクラフリンの三人で、後二者は小生の守備範囲JAZZ(というかフュージョン)なので馴染みが深かった。しかし、パコがディ・メオラのソロアルバム『Elegant Gypsy』でアコースティックを早弾きしているソリストとは気づかなかった。兎に角、このパコが凄い!マクラフリンですら一杯いっぱいじゃないか、と思えるテクニックの嵐。小指動きまくり。フラメンコギターの奥の深さを思い知らされた。構成は2人ずつ組んで3曲を、残り2曲をトリオで、となっている。1曲1曲が長く8分かそれ以上なので、余程の音楽性・引きつける魅力がないとダレてしまうのだが、彼らにそんなことはあり得ない。6弦×3本のギター=18本の弦が奏でるとは思えない音楽世界が広がる。電子楽器の及ぶ範囲では無く、まさに神の領域に達している。トリオ作品なのでお奨めは、ギターバトルとも言える4曲目の「Fantasia Suite(幻想組曲)」なのだが、個人的には、オープニングのパコ&ディ・メオラの「Mediterranean Sundance(地中海の舞踏)」の壮絶な演奏は「これを聴かずしてギター音楽を語る勿かれ」という名演で一聴の価値大であると思う。

その後、トリオが十数年ぶりにアルバムを発表し、日本でもコンサートを開いた。小生も幸い観ることができたのだが、やはりこのアルバムの衝撃波には叶わないのであった。


Al Di-Meola,John McLaughlin,Paco De Lucia『Friday Night In San Francisco』 1980 Columbia