名曲・名盤「骨董品」

take-bow2006-10-08

後にイエスで活躍するリック・ウェイクマンがいたバンドとしてストローブスは知られているが、実は現在も活動を続ける現役のバンドであることは知られているのだろうか。HPを見ると年内、アメリカで行われるアコースティックツアーのお知らせが記されている。


そう、彼らはまさにアコースティックの似合うバンドである。イギリス・フォークの伝統を受け継ぎつつ時代の変化に対応したり、反発したりしながら活動を続けてきた。リック・ウェイクマンの加入もアコースティックの音の厚みを持たせるという意味合いが強かったように思う。このアルバムでは1曲目の「Martin Luther King's Dream」と3曲目の「Temperament of Mind」がお気に入りだった。前者でキング牧師の有名な演説を知り、後者でクラシック音楽とイギリスにおける定着度を知ったのも副産物ではある。前者のフォークっぽさは無知だった当時の私にはピンと来なかったが、後にトラディショナル・ブリティッシュ・フォークの存在を知るにつけ、このバンドの拠って立つ位置が分かった。また、後者は「ヘンリー八世の六人の妻」でも用いられている、Rick Wakemanのモティーフでライブならでは作品だ。要はクラシックの「美味しい所取り」なのだが、ライブでは受けること間違いなしの曲である。1970年代の息吹の一端を聴くには最適のアルバムだろう。


STRAWBS『JUST A COLLECTION OF ANTIQUES & CURIOS』 1970  A&M