バカは死ななきゃ直らない−『Live at Leeds』購入顛末

take-bow2010-12-29

また買ってしまった。金もない貧乏人なのに。またもフーの名盤『ライヴ・アット・リーズ』だ。レコード会社の戦略に載ってしまい、大出費である。今回のセットを1つと数えても、CDだけで5つある(写真参照)。アナログ盤も持っているから、随分、The WHOには貢献してきた訳だ。今回の盤で小生にとってあまり意味がないのは、オリジナルLPとドーナッツ盤のレプリカで、歴史的な遺物として持つことになったに過ぎない(もうレコードプレーヤーがない)。小出しに出される歴史遺産に付き合えるのも、今回が最後になるだろう。何せ「40周年記念」らしいが、その前の25周年(写真・上中央のアナログサイズのブツ)にもつき合っているからである。家人の罵倒をモノともせず、手を出した顛末を記す。
今回の記念盤の売りは二つあり、その一つが560ページのハード・カヴァー・ブックなのだが、主要な写真やポスター・手紙・手書きメモなどは前回の「25周年」盤にも含まれていたものが多いので、小生には余り嬉しくない。購入に踏み切った最大の理由は、リーズの翌日に行われたハルでのショウを完全収録しているからであった。そもそもフーはライヴ・アルバムをリリースする目的の為に1970年2月14日(リーズ)、2月15日(ハル)と2日連続の公演を行い、両コンサートから良いところを抜粋してライヴ・アルバムを制作する予定だったらしい。しかし、現実には初日のリーズ大学でのライブ・パフォーマンスが絶賛されて、後者はお蔵入りということになったそうだ。
初め聞いた時はハルでのライブは、本編のリーズと比べるとDisc3の前半が物足りなく感じた。メンバーはホールでの反響などからリーズよりこちらの方が良いと思っていたそうだが、Summertime Bluesなど特にインパクトのあるナンバーで散漫な感じ(特にボーカルのロジャー・ダルトリーに対して)を受けた。Magic Busが含まれていないのも残念だ。リーズでのライブの方が全体的なまとまりがある。ハル・ライブ(Disc3)では、一人キース・ムーンのドラムがスゴイ爆音をかまし、(手が二本とは思えない)千手観音ドラムが炸裂している。これに対して、Disc4のトミーは素晴らしい。20曲50分を越える息をも付かせぬライブアクトになっている。惜しむらくは14曲目のGo to the Mirror!でノイズが入ってしまい、一部ボーカルも聞こえない。ただし、そんなことでメンバーの気合い・チームワークは削がれることは無く、一体感(フーには珍しく)溢れるライブとなっている。最後のWe're Not Gonna Take Itまで疾走していく感じが、これぞまさしくThe WHOである。結局、この2枚のCDのために大枚を叩いた訳であるが、ファンの性、至極満足しているのである。バカは死ななきゃ直らない。