2018「センター入試−政治経済」について思うこと

take-bow2018-01-15

また今年もセンター入試が来た。例年通り、予備校の評価は難易度昨年並みの変わらずであるが、今年は政治経済に関する個人的な(ムダに長い)感想を以下に記したい(数字は通し番号の問題番号)。
1.アはリード文の「国防、…治安の維持に限定」が重要ヒントで基本的な問題。
2.A「第三の道」が分かり難かったはず。ブレア以外にもこのような主張をする政治家はいる。労働党政権は社会民主主義の政策はもちろん、新自由主義的な政策も加味して「第三の道」を主張。Bのネオリベは常識問題。
3.アは自由権、イは社会権、ウは請求権の例を選ぶだけ。基本。
4.これも基本。特に2カ所で用いているイは外せない。
5.○1道徳などほかの社会規範と比べた法の特徴、○2ボーダンの主権の定義、○3法治主義
6.1999 年の国会審議活性化法によって、政府委員制度は廃止。基本問題。
7.政府の規制による価格なので、市場での競争原理ではない点を忘れると誤ってしまう問題だと思う。規制によって2カ所のポイントで迷ったと思うが、需要はQ2の点を示すが、供給量がQ1しかないので取引量は供給量となる。
8.ローレンツ曲線なので身構えた人もいただろうが、文章を丹念に読めば間違えないだろう。○1大きい→小さい  ○2 80%→60%  ○3そもそも割合を示した曲線なのだから「同じ割合で増える」と同じグラフになる。
9.これは常識(基本問題でもない)。
10.基本問題だが、○3に引っかかりそうになった人は、「武力行使は禁止されている」のなら防衛(自衛隊)の意味がないことを思い出して欲しい。
11.イはやや難しいだろう。当時の国際情勢の正確な理解が求められる。 
12.○3に引っかかってしまった人もいたことと思う。○4の「ドル安是正」を読んで、答えを決定して欲しい。
13.年号が近すぎるので迷った人がいるかも知れない。ア1945→イ1946→ウ1948。
14.○1「神武景気」→「いざなぎ景気」 ○3「強化された」が×。○4内陸にコンビナートを作ったら大変でしょうね。
15.基本問題。○4に迷いかけた人は第二次石油ショックを思いだそう。
16.これも基本。「核実験を禁止」したら核保有国にならない。第2問はトータルで難しく感じたかも知れないが、このような問題をキチンと押さえるのが入試の極意である。
17.日本外交の三原則=国連中心主義、自由主義諸国との協調、アジア重視を覚えている人には易しい問題。
18.○1は1983、○2は1986、○3は2000年代。消去法が使えると良いのだが、難しい問題かも知れない。
19.「トレード・オフ」はキツイ。2017年追試の11「機会費用」を理解している人は解けたと思うが。このアはプライマリーバランス(PB)を消去して正解に到達できる。
20.これは基本問題。フェアトレードを知らない人でも消去法で対処しよう。
21.年号を知らなくても流れを理解している人は解ける基本問題。ちなみに年号は、A1948、B1995、C1967、D2001〜。
22.Aの石炭、Dの原子力が判断要素。Cの原子力0.0%もヒント。
23.出来なければダメ。
24.○1「自主財源」→依存財源。○2「増額」→減額。○3「ない」→ある。北海道夕張市は有名。基本問題。
25.フィラデルフィア宣言をおさえていない人は消去法で対処しよう。○2「賦課方式」→積立方式。○3「生活保護費」→年金など社会保険。○4「ドイツの宰相ビスマルク」→イギリスのベバリッジ。or「『ゆりかごから墓場まで』をスローガンに、」を削除。
26.○1「すべて」×。○2「上回っている」×。○3「アメリカ」×。
27.表の問題は丁寧に確認すれば正解に到達できるはず。各文の前半で各国の政治状況をヒントとしており、○1がアメリカ、○2がフランス、○3がドイツ、○4は日本と分かるはず。正解以外は述部に誤りがあり、○1「最も高い」 ○2「最も低い」 ○4「2番目に高い」がおかしい。
28.超基本問題。
29.解職請求=有権者の3分の1以上が分かっていれば出来るはず。
30.復興庁は、2011の東日本大震災以後の対応のため、2012〜2021までの期限付き官庁である。
31.「形式的には性差別に当たる措置であっても許容されるもの」=ポジティブ・アクションを理解すること。
32.基本問題。これも○2〜○4は述部がおかしいので解けてしまうはず。
33.ア「正社員よりも週の所定労働時間が短い労働者」=パートタイマー。イ秘書や通訳など16業務に対象を限定していたが、2012法改正によって拡大されたのは労働者派遣法。ウ「定年の引上げ、定年制の廃止…」など高齢者の雇用について規定しているのは高年齢者雇用安定法。
34.「日本で最高裁判所により違憲とされた法制度についての記述として誤っているもの」=合憲のものなので、落ち着いて最後をしめよう。