take-bow2008-01-20

昨日今日と大学入試センターテストが実施されている。今年も受験生を教えているので、気が気でない。昨日の夜中に問題が発表されたのだが、テレビで映画「電車男」がやっており、つい見てしまう。すぐには解くことができなかった。と言う訳で、例年通り(超マンネリ)なのだが、倫理の問題に関する感想を述べたいと思う。あくまでも専門科目ではないという点をご配慮頂きたい。


2008年度大学入試センターテスト 公民−倫理−
例年通りの大問5題小問37題で、概ね予備校の「問題分析」は「昨年並み」との評価。ということは、平均点が69.66点にまで達した昨年とあまり変化がないだろうという読みだと思う。ただ毎年、教えていて決して易しい科目ではなく、この平均点をたたき出している受験生諸君の凄さを痛感する。単純に正誤が分かってしまうような選択肢はあまり見られない(高2生は迂闊に手の出せる科目ではないと心して欲しい)。日本史も解いたが、明らかに選択肢の作りがショボく、正解がみえみえの問題が日本史には多かった。
第1問 青年と心理  初っぱなからジェームズ・マーシアという全く知らない発達心理学者の名前が出てくるが組合せ問題で多数派を取っていくと正解になってしまうと言う問題で平易。グラフの読み取りも決して難しくはない。
第2問 源流思想  「運命」をテーマとした全範囲に渡る出題。問7の「インドの宗教的実践」は難しいと思う。他にも問5が若干悩んだ。ブッダの史料問題は良く読めば答えられるとは思う。
第3問 日本思想  小生は日本史専門なので出来たが、教え子諸君は如何だったろう。『葉隠』の史料問題もいつもと違う所が出題されているので、難しく感じたかも知れない。何よりも問7の「植村正久」は無理だと思う。日本史をやっていない、むしろ理系の生徒が多いことを鑑みると悪問だと思う。
第4問 西洋近代思想  「道徳的な責務」をテーマにした問題。各予備校とも易しいとの評価であるが、私はそうは思わない。問4では同じフランクフルト学派ハーバーマスを示す?を選んだ人もいたのでは無いだろうか?ジェームズの史料問題も国語的に処理できた人は良いが、引っかかるのでは無いだろうか?選択肢の遊びの部分が無く、ゆとりの無い分難しく感じてしまうのは小生だけだろうか。いずれにしろ受験生諸君のガンバリに期待したい。
第5問 現代社  余りに文章問題が多すぎないであろうか。日本史との落差に驚愕した。標準的との評価であるが、決して易しい問題ではないと思う。


2008.01.24追記  センターの平均(中間集計)が発表された。倫理は68.43で、地歴・公民はもちろん全科目中最も正答率が高い科目になった。