一応、教育にたずさわる者として

非常勤ではあるが教育現場にたずさわる者として、昨今の教育に関するニュースに対する私見を述べる。友人諸氏はご存じのように、小生はへそ曲がり&天の邪鬼&偏屈なので、以下の覚え書きに一般性はない。全てのまじめな教師を代表していないことを前提にお読み頂きたい。


1.まず現在の学校の教育課程から学べるモノはほとんどない。唯一、大学の自由な研究に可能性があると思うが、そこに到達するには受験競争に勝ち抜かねばならない。


2.小生が教えるようになってからでも、この間の「学習指導要領」の変遷はひどい。曰く、国際化だから世界史必修。曰く、男女平等だから男子校でも家庭科必修。曰く、現在が分からないから「現代社会」新設&必修。曰く、学校週休二日にともなって「ゆとり教育」実施。
つまり「学習指導要領」というのは国家がどのような日本人を今後、育てていくのかという指針なしにコロコロ変えていく朝令暮改の目先の方針でしかない。


3.今回の話題になっている「必修逃れ」問題は、実は以前から行われていた。問題になっているのは、あまりに規模が大きくなり過ぎたのと公立高校で大っぴらに行われていたためで、私立の進学校では「常識」だった。つまり、今まで見て見ぬふりしてたのに何故、今ごろという点に気が付いて欲しい。


4.「こんなにひどい教育が行われているキャンペーン」の一方で、権力が目指しているのは教育基本法の「改正」に他ならない。教育基本法にもし改正すべき大罪があるとしたら、それは義務教育の短さと日本人に望む(本来、日本人が持っていた)倫理観であろう。現在、議論されいる教育基本法「改正」には、全く関係ない話である。たぶん大部分の議員センセイはたった11条しかない教育基本法を読んだこともないであろう。


5.現在の学校に求めるモノとは何であろう。学歴、教養、ステータス。。。教えるべきモノを置き去りにして、強制されるモノをドンドン詰め込んでいる、そんなブロイラー養成工場のような気がしませんか、学校って。


補足.「いじめ」問題について一言。教育問題として扱われやすいが、それは学校で起こっているからやむ得ないのだが、日本社会全体に「いじめ」が蔓延しているように思えてならない。テレビ番組の中には「いじめ」で面白がるものまであるじゃないですか。教師が荷担・きっかけ作りをするのはもちろん論外なのですが、それが起こる根底には日本=「いじめ」体質があるような気がしてなりません。