take-bow2012-01-15

今年も受験生の担当となり、何と16年ぶりに復活した「倫理・政治経済」(通称・倫政)を教えてきた。昨日実施されたセンター入試の問題に関して、気づいたことを記して、受験生・高2生の参考になれば、と思う。詳しくは予備校のサイトで、各予備校の講評を参考にして頂ければ良いと思います。

1.大問6題小問39問で、前半の第3問までが倫理で小問19問となって、3点問題が多くなっている。後半の第4問から3題が政治経済で小問20問で、3点問題と2点問題が同数の10問ずつとなっており、社会科系の科目の中では最も問題数の多い科目となった。
2.倫理は易しかったとの予備校の講評が多いが、第3問がリード文なしなので全体的には妥当な評価かも知れないが、第2問の「西洋近代思想」はやや難しいと感じた。小問では11番の「フッサール」は他の選択肢のサルトルヴィトゲンシュタイン・バークリーを理解して消去法を用いないと厳しいと思う。他にも通し番号の2・5・6・18などで、あまり詳しく学習しない内容や執拗な引っかけによって正答をつかみ損ねた受験生諸君がいたのではないかと思う。キーワードをただ暗記しておけば、良いというような10数年前の倫政の復活ではないので、学習する際に中身を理解して行って欲しい。
3.政治経済はやや難しいとの予備校の講評があったが、むしろこちらの方が与しやすいだろう。表2・グラフ1ということで煩雑さを伴う問題が少ない点も注目に値する。選択肢の作りが文章も長く厄介ではあるが、公民を選択している諸君は慣れていると思うので、新しい情報などがきつかったかも知れない。具体的には小問の24番だが、オバマプラハ演説は、彼が現職大統領でノーベル平和賞を受賞する大きなきっかけになった事なので、覚えていた人も多いだろう。
4.最後に(どうでもいいことだが)、正誤問題で「適当でない」ものを選ぶ問題が8問、うち○1を正解とするのが半数の4問というのは配分としてはいかがなモノか。まず疑え、か。