名曲・名盤 カルロス・クライバー指揮「ベートーヴェン:交響曲第4番」

take-bow2006-11-26

友人の「まんぞう」氏が最近、ベートーヴェン交響曲7番が流行っていると教えてくれた。小生にとって7番と言えば、カルロス・クライバーなのでウィーンフィル盤をと思ったのだが、生来のへそ曲がりなのでクライバーベートーヴェン繋がりで本作を取り上げることにした。

1982年5月、ミュンヘンでのコンサートのライブ録音。よく考えたら一曲しか入っていない。30分強。これは超割高盤である(ちなみに前述の7番も小生所有のは一曲のみ。今は5番とのカップリングになっている)。しかし、それをモノともしない正真正銘の名演である。このスピード感・疾走感は喩えるのならフェラーリなどのスポーツカーに匹敵するだろう。英雄と運命に挟まれた4番は、シューマンによると「ギリシャの乙女」という評価になるのだが、それとは全く無縁な血の出るような怪演が第一楽章から続く。むろん一本調子で行く訳ではなく、強弱のアクセントの付け方が上手いのはいうまでもない。しかし、この盤の名演たる所以は、ベートーヴェンが望んだ演奏では無いかもれないが、疾走することによってこの曲の存在意義を知らしめたことにあると思う。
このCDを聴いたから、カルロス・クライバー来日公演のチケットを手に入れようとしたのを思い出した。十数年前の話だ。友人のD先生が、○万するらしいよ、と教えてくれたのだが、当時の小生はそんなことはモノともせずであった。しかし、来日はどたキャン(いかにもカルロス・クライバーらしい)され、膨大な出費は無かったのだが、結局、他界されてしまい一度も生カルロスを聴くことなく終わってしまった。残念。

鳴り止まぬ拍手...(CDの5曲目に3分以上入ってます)


Carlos Kleiber, Bavarian State Orchestra『Beethoven:Symphony No.4』  Orfeo  1984