take-bow2015-03-03

本年度、アカデミー音響編集賞を受賞した、イーストウッド監督の最新作を観た。ネイビー・シールズ最強の狙撃手で160人を殺したクリス・カイルの自伝を映画化したものだ。何よりも迫力の戦闘シーンが凄い。音・砂嵐・臭いまでも伝わってきそうな映像だ。カイルは4回の派兵を受けるのだが、だんだん状況はヒドくなっていく。戦闘では死ななかった「レジェンド」の余りに残念な最期。戦争がもつ人間性の破壊をイーストウッド監督は明らかにしていく。そう、戦争とはそういうものなのだ。PTSDはヒーロー自身も持っていたのだ。ラストシーンの沿道で見送る市民の思いは、決してアメリカン・ヒーローに対する追悼ではなく正しい戦争など無いのだという真理を示していると思う。
素晴らしい反戦映画に★★★★ブラボー