take-bow2012-07-18

これも映画館で観たかったのに、上映している館が近くに無くて観に行けなかった作品。しかもドキュメンタリーだ。30年間ベヴィメタを続けてるカナダのロックバンドANVILの物語。正直言って、バンドのことも全く知らなかった。なぜなら(ダスティン・ホフマンと同様に)ベヴィメタが大嫌いだったから。彼らの頂点は1980年代で、日本で行われたロックフェスでの映像から始まる。幾多のロックスターたちが当時のANVILの凄さを証言してくれている。
場面が変わり、現在の彼らは給食配達のおじさんであったり、ビル解体業のオジサンであったり、中には半分ホームレスなメンバーまでいる始末。20年間で最高のツアーだと勢い付けてヨーロッパに出かけるが、だんだんショボくなっていき、バーの片隅で数人の客の前で演奏するベヴィメタ・バンド。ホントに笑える。それでも彼らは諦めきれない。新曲を発表したくて自腹でCDを作ることにするが、その費用を捻出するためのバイトも続けられない。もちろん、彼らは諦めない。姉から借りた金で何とか録音まではこぎ着けるが、販売してくれるメジャーレコード会社がない。「今時こんな音では売れませんよ」などと言われてしまう始末。とことんダメ駄目な感じが本当に笑える。
でも、そんな彼らを日本のファンは忘れていなかった。最後の日本でのライブシーンは本当に本物の涙が出てきた。好きでもない、いや嫌いなベヴィメタでも格好良いと思った瞬間だ。スラッシュの「30年以上続けているのはストーンズとフー、そしてANVILだ」は最高のほめ言葉だ。ロックし続けるオジサンに乾杯!
★★★★★ブラボー