take-bow2012-01-01

今年初の一本は児童文学の傑作『泣いた赤おに』の3DによるCGアニメーション。『三丁目の夕日』を手がけた山崎貴監督が撮っているだけに、本当に美しいCGアニメーションとなっている。技術的なことは門外漢の小生には分からないが、青空に浮かぶ雲や夕焼けの海など本物以上の美しさを表現していた。しかし、そんなことより誰の目にもコタケの可愛さだけは完璧に伝わる。もののけたちはコタケの無邪気な笑顔に絆されていき、強硬派の赤鬼のナキ自身もコタケを愛おしく思うようになっていく。人間ともののけ、互いに理解し合わず先入観で見ているためにより邪悪なモノと決めつけていくという、現実社会の対立構造の戯画化でもあるのだが、そんな裏テーマもキチンと描かれていた。恩讐、無理解の彼方に本当の理解があることをコタケが教えてくれる。ホロリとさせられる、ステキな作品だ。
★★★★ブラボー