take-bow2011-07-28

大英博物館が誇る古代ギリシャに関するコレクションを上野の国立西洋美術館で公開している。もちろん最大の見所は「円盤投げ(ディスコボロス)」の完成された造形美である。西洋では古典古代と呼ばれるギリシャ・ローマの芸術は、ルネサンス以降の西洋の近代芸術に大きな影響を与えたのはいうまでもない。しかし、そのリアリティ、人間らしさの追究は初めから完成されていた訳ではないことがこの展示物で明らかと成る。ただBC4or5世紀頃からの完成度の高さには驚かされた。大理石のアフロディテ像やスフィンクス像、ソクラテス像など日本には無い形態の芸術群は言うに及ばず、黒像式・赤像式とよばれる形式の陶器のレベルの高さにはビックリした。日本なら縄文土器弥生土器の時代なので、絵のすばらしさに加え、色の表現法にも驚かされた。どうやら白をベースとして上に描いていく技術のようだが、あの中国ですら白地を作れなかった時代なのでその凄さは秀でている。また、古代オリンピックを描いた壺に「重装歩兵競争」や「長距離走」を描いたモノもあり、歴史の授業で教えている内容を追認する思いであった。ただ、最後の「愛と欲望の多彩な表現」コーナーはちょっと恥ずかしい。熱心に鑑賞していた女子中学生がいたが、意味分かっているのか?と小生の方が赤面してしまった。そういえば、酒の神ディオニュ(ー)ソス像も男なのに造形は女性らしさが出ていて、両性具有のような気がして赤面だった。
これから御覧になる方は、ギリシャ神話のさわりだけでも学んでから行くことをおすすめします。小生よりもっと楽しめるはずです。(写真は海洋堂作のガチャガチャ・グッズ−小生は「黒像式頸部アンフォラ」をゲット!)