take-bow2010-07-03

条件反射という心理学用語がある。パブロフが犬を使った実験で有名であるが、ロック・おじさんの小生にとって、ジェフ・ベックの新譜はまさに「よだれもの」なのである。よせばいいのに今回も条件反射で『エモーション・アンド・コモーション(スペシャル・エディション)』を購入した。齢66歳でありながら、「昔の名前で出ています」的な作品ではなく、自分のやりたいことを貫いている、そのロックな姿勢は本当に脱帽だ。しかし、正直言って、新録のCDにはEmotionは感じられたが、Commotionは少なかった。特にorchestralな4曲目や8曲目は辛い。還暦をとおに過ぎたギターリストの作品であることを勘案すれば、やむを得ない選曲であるのかも知れない。そんな関係で狙い目がかなりぼやけた作品になっているのは否めない。コンセプトはボーカリストをフューチャーして曲の厚みを作り上げることなのだろうが、既に『フラッシュ』で25年も前にやっているので(抑え気味になってしまい)中途半端なアプローチに終わっている。だが、ジェフ・ベックが見込んだだけはあって、女性ボーカリスト、特にJoss Stoneをフューチャーした楽曲はとりわけ素晴らしい出来になっている。

一方、DVDは2007年のエリック・クラプトン主催の『クロスロード・ギター・フェスティヴァル』に出演したジェフ・ベックのパフォーマンスで、既発のDVD商品とは1曲(「ビッグ・ブロック」)ダブっているだけである。可愛いノーブラのタルちゃん(b)にノックアウトされたロック・おじさんの小生にとっては、最高の贈り物である。正直言って、このDVD欲しさに本作品を購入したと言っても過言では無い。そして、このライブ映像は期待を裏切らない。ここに示されたジェフ・ベックというギターリストは、クラプトンやジミー・ペイジ(お二人とも太りすぎです!)とは一線を画した未だにギター野郎・ロック少年であることが理解できると思う。