名曲・名盤 ジョン・スコフィールド「鯔背」

take-bow2006-11-12

ジャケ買いということの少ない私にとって、珍しい例外の一枚。マイルス・デイヴィス・グループのギターリストとしてジョン・スコフィールドの名前を知ってはいたし、実力は折り紙付きなのでとりあえず御買い上げという感じで買ってきて、家で聞いてビックリした。これはスゴイ。本物だ。一曲目のTECHNOからガツンと来る演奏である。テクノのリズムとは全く別ものに思えるような疾走感が素敵であった。2曲目のタイトルナンバーSTILL WARMのボサノヴァ調の曲の方がイマイチしっくり来ないほど、全体にエネルギッシュである。PROTOCOLやRULE OF THUMBはまさに「ジョンスコ」ならでは作品に仕上がっていて、ギターマニアには堪らない。陽性・陰性の曲を交互に配置した構成もまさに「鯔背」という感じである。マイルス・グループの最晩年期のソロであるからか、解放され個人的イマジネーションを最大限発揮していると思う。ジャズのギターは本来、ボサノヴァ系の方が好みなのだが、根っからのロック魂が呼び起こされるリフに触発されたのであった。


John Scofield『Still Warm』1986.06 Gramavision