「運慶展」を見る

take-bow2017-10-31

東博で開催されている「運慶展」を見てきた。午後の仕事が空いたので、はせ参じた次第である。案の定、50分待ちです、と言われたのだが実際には30分ほどで中に入れた。帰りがけに見かけた「怖い絵展」の方が混んでいた。後者は若いお客さんが多いようだったが、こちらは仏像だらけなので、年寄りだらけ。さすがに拝んでいる人はいないが、動きが遅く不規則に移動するので、見にくいことこの上ない。作品群のうち、見たかったのは晩年の作品とされる無著・世親像である。「空」の理論を突き詰めた大乗仏教最大の思想家アサンガ・ヴァスバンドゥ兄弟の人物像である。これらはリアルをめざした作品だろうが、もちろん勝手に空想してイメージを作り上げている。他にデビュー作である円成寺の「大日如来像」が見られたのも収穫だ。高野山八大童子像も6体が見ることができた。ただこのような大きな企画にしか人が集まらないのは正直いかがなものか。以前、金沢文庫で「重源上人像」と対面したときは周りに一人も他人がいなかったのに。。。もっと夕方から出動すれば良いのかも知れないが、生活リズムと合わず毎回、混雑の中に突っ込んでいくことになる。一同に会することが希な作品群なので、やむを得ないのだろう。