take-bow2014-05-03

連休の初日、わざわざ銀座まで出かけて『世界の果ての通学路』を観てきた。割引の関係で子供連れのお客さんですごく混んでいました。いくらフランスで130万人が観た大ヒット作とはいえ、ドキュメンタリーがこんなに客席を満杯にするというのは日本では珍しいことだと思います(以下、ネタばれしたくない方は御遠慮下さい)。
映画はケニアのサバンナに住むジャクソン、アルゼンチンのパタゴニアに住むカルロス、モロッコアトラス山脈に住むザヒラ、インド南部に住む車いすのサミュエル、の四人が大変な思いをして学校へ通うその通学路が舞台になっています。ジャクソンは妹と共に象や猛獣、ゲリラなどに襲われるかもしれない大地をおよそ時速7.5kmで走って通います。カルロスも妹と一緒に人っ子一人いない大地を馬で通っています。ザヒラはイスラーム世界の女性差別の中、最長の4時間もかけて寄宿学校に通っています。サミュエルは弟2人に車いすを押してもらって舗装もされていない通学路を通います。それぞれの道がそれぞれ特有の困難さを伴っているのですが、やはり子供たちは「夢をかなえたい」という思いで困難な道を進みます。撮影スタッフも大変だったろうとすぐに分かる土地ばかりなのです。
個人的には足に障害を負っているサミュエルが苦労して学校に着くと、クラスの友人たちが我先に車いすを押してくれて弟たちの手助けが必要なくなるシーンで泣きました。それまでは辛うじて堪えていたのですが、教室へと担ぎ入れる友情にホント感動しました。授業前の騒然とした雰囲気はどの国でも一緒なんだという、単純なことに気づきました。でも目が日本の学校と違うのです。一人一人の学びたいという気持ちが溢れていて、目がキラキラ輝いているのです。教師をしている人全員に観て欲しい作品です。

文句なしの★★★★★ブラボー