take-bow2012-08-06

久しぶりにどの映画を見るかについて、家人の希望で「おおかみこどもの雨と雪」を近所のシネコンで見ることとなった。あまり期待せず(オリンピックがらみで睡魔に襲われる予感のもと)に、スクリーンを見ているとグイグイと引き込まれていった。まず大学の雰囲気が昔っぽくて懐かしい。男女の出会・そして結婚など、「神田川」的なひと昔前の若者像に心を鷲づかみにされた。何よりも田舎での生活を始めた母子に周囲の距離感がリアリティあった。また、富山と思われる住まいの裏山から北アルプスに連続しており、みくりが池や称名の滝、剱岳などが美しく描かれる。そんな処を本能に従って、おおかみに戻った雨は走り回る。そして子離れの時期を迎える。人間とは比べられないほど早い、別れ。言いたいことが弱いというネットでの指摘も頷けるが、それでも一人(一ぴき)のおおかみ人間の自立の物語として見ていくとリアリティのあるとても良くできた作品だと感じた。
★★★★ブラボー