take-bow2011-08-22

この夏の暑さは、映画館やショッピングセンターなど冷房の効いている施設へ誘ってくれる。当初、このジブリ作品は観るつもりは無かった。理由は何よりも『ゲド』で痛い目に遭っているので、出来はあまり期待できないと考えていたからである。そんな小生を映画館に向かわせたのは夏の暑さだけではなく、NHKでやっていたドキュメンタリーの影響でもあった。偉大な父親をもった息子の苦悩は痛いほど分かる。吾朗監督にしてみたら、オヤジに一矢を報いてやりたかったのは正直な処だろう。果たして結果は-----------------------------------期待していなかっただけに、新鮮な驚きがあった。主人公「海」の生き生きとした生活感あふれる人物描写に引き込まれた。また、シチュエーションが良い。女だらけの寮「コクリコ荘」、旧制高校の雰囲気たっぷりな男だらけの「カルチェラタン」という名の部室。ガリ版謄写版は小生の世代でもギリギリOut!だが、懐かしい。雰囲気が古き良き日本の姿を現している。坂の多い街、主人公の自転車の二人乗り、など「耳をすませば」に似ている。そういえば、音楽の使い方がオヤジの駿監督とは異なり新鮮だった。
★★★★ブラボー