惜別の山行−岳沢顛末

take-bow2010-08-13

いよいよもう無理かな、と思える時がついに来た。長年、唯一のスポーツ・楽しみとしてきた山行であるが、今年も一日岳沢を歩いただけでリタイア。腰と膝が保たない。無理すれば前穂まで行って帰ることは出来ただろうが、その後の下山の体力も脚力も残っていなかっただろうから、撤退した。本当に情けない。自分よりかなり年配のお爺さん・お婆さんが元気にスイスイ登っているのに・・・。今まで北アルプスの主立った峰は登ってきた。3大キレットも越えてきた。残りはジャンダルム・北鎌尾根など厳しい処か、裏銀座など昔の小生だったら行けるだろうルートを残しているだけだ。いつでも行けると思っていたら、もう1泊2日コースしか無理な身体になってしまったようだ。本当にこのまま山とお別れするのはつらい。けどやむを得ないようだ。

それにしても岳沢は良いところだった。先人たちが築いてきた登山道は登りやすく整備され、風穴という天然のクーラー付きである。岳沢小屋は小さいが、新しいだけに蒲団もフカフカで寝やすかった。予約制だからか宿泊客は少なかったのだろうか?岳沢は皆さん、下山ルートに使うらしく休憩地としては賑わっていたが、夜になるとすっかり人が少なくなる。紅葉の季節だったら、上高地からたった2時間半で白樺・ダケカンバの素晴らしいコースを堪能できるだろう。小生にとって今回、山の息吹を感じられただけ幸せだ。天狗沢のお花畑も、一般登山道から離れた静かな素敵な場所だった。