take-bow2010-02-09

上野の東博で開催されている「土偶展」に行ってきました。お目当ては「国宝 縄文のビーナス」とよばれる長野県茅野市で出土したこれです。他にも青森県亀ヶ岡遺跡出土の遮光器土偶にも会えるので、仕事(学校)帰りに無理をして駆け付けた次第です。
会いたかった「縄文のビーナス」は、流石に美しく均整の取れたふくよかな母性の象徴でして、あらゆる角度から眺めることができ堪能しました。右胸下(脇腹)に一筋の亀裂がある(写真では見分けられません)のですが、修正するほどでないのが国宝たる由縁かなと思いました。これに対して、青森県八戸市出土の「合掌土偶」も北海道函館市出土の「中空土偶」もともに破損しているのですが、歴史的希少価値から国宝に指定されているのだろうなぁと感じました。特に「合掌土偶」は壊れても壊れても、縄文人たちは自分で修理して用いていたようです。これらに対して、重要文化財指定の前述「遮光器土偶」や群馬県出土の「ハート形土偶」は左足が足りなかったり、修正によって完全体のように見えているのですが、国宝の壁は越えられないのだなぁと思いました。今回、土偶はすべてが女性を象ったモノでは無いということを知りました。そして気が付いた共通点は、土偶の基本は身体の文様=「文身なのだろうか?」です。それが極端に無いのが「縄文のビーナス」だったのです。


文化庁海外展・大英博物館帰国記念 「国宝 土偶展」 2009年12月15日(火)〜2010年2月21日(日)