take-bow2009-02-14

ソダーバーグ監督作品『チェ 39歳 別れの手紙』をやっと観てきた。シネコンが出来て映画が身近になったのは嬉しいのだが、公開の回転が速く、もうすぐ上映終了になるようだった。しかし、前作のぐいぐい引きつける魅力を体験した者には、観ない訳にはいかなかった。

ところで
終わりが分かり切っている映画をあなたは見ますか?
ディテールは知らなくとも、ゲバラボリビアのゲリラ戦争中に殺されたことは周知の事実である。ソダーバーグ監督はボリビアでのゲバラを淡々と描いていく。現在の視点から見ると、とても成功しそうに無い戦いだ。キューバとの違いは、何よりも彼らの運動に対する民衆の支持がない。これはイタイ。その上、アメリカが本腰を入れて介入している点。「裏庭での反乱」をこれ以上許さないというアメリカの質的・物的軍事力との差は大きい。ジャングルもキューバとは異なり、ゲリラ戦を戦いにくいようだ。そんな結果が分かり切ってしまうような戦いに、チェは挑んでいったのだ。キューバでの満ち足りた生活を捨ててまで、彼の助けを必要とする革命の地としてボリビアを選んだのだろう。素っ気ない構成の映画ではあるが、最後のシーンは映画史に残るカメラアングルだと思う。最後は私自身もチェになったのでした。         ★★★ブラボー