take-bow2009-01-31

昨年、夏に購入しながら先延ばしになっていた本をやっと読了(?)した。山田五郎著『知識ゼロからの西洋絵画入門』である。テレビでタレント・コメンテイター・評論家などの肩書きで活躍されている山田五郎氏は、元々編集者であり、敏腕出版者であるのはご存じのことと思う。タモリ倶楽部の伝説の「おしりコーナー(正しくは「五つぼしり」)」でデビュー以来、サブカルチャーのイメージぷんぷんだが、実は、氏のご専門は美術史研究でウィーンにまで留学されていたのである。本作はルネサンス以降の巨匠を取り上げ、その代表作を例に解説を加えている。特に構成の妙技とも言えるのが、「図解で楽しむ」のコーナーで素人に目の付け所を伝授するページが秀逸である。「巨匠の履歴書」も卑近で、「イマドキ」の言葉で語られており分かり易い。欲を言えば、一人に一作というコンセプトのため、もっと知りたい作品が出てくるという点である。ラファエロの「アテネの学堂」やピカソの「ゲルニカ」を、山田五郎流の解説で読みたいと考えるのは小生だけでは無いはず。続編や『日本絵画入門』を期待して止まない。