take-bow2008-07-21

久しぶりにほぼ満席の映画を観てきました。しかも小さな子どもたちがいっぱいです。そういえば、昔の映画館ってこうだったなぁとオジさんは思うのです。映画が始まるまではガヤガヤしていた客席も、フィルムが回り出すと皆が息を呑んでいるのが分かるところは、昔も今も変わりません。 ただ、暗い映画館というシチュエーションに恐れをなした子や、シビアなシーンが展開されると泣いてしまうお友達も少しはいました。
全編セル画で挑む宮崎駿監督は、テーマを実に単純にしてきました。人魚姫と魔法というファンタジーの王道を、単純なストーリー展開で見せてきました。前作『ハウルの動く城』が設定の複雑さにかまけて展開の厳しいものであったのに対して、本作『ポニョ』は実に予定調和です。なるべくしてなるオチ。これが映画だ、私のアニメだ、と監督は言いたいのではないだろうかと思いました。息子の『ゲド戦記』に対する原作者ル=グゥイン氏の批判に対するアニメ作家としての、宮崎駿の返事と私は受け止めたのです。
まぁ、そんな堅い話はさておき、実に子供まで楽しめる作品であるのは間違いないです。ポニョの妹たちの声優として天下の矢野顕子を使っているのですが、何と台詞が「あ」とか「え」とかだけという、実に贅沢な配役になっていることも付け加えさせて頂きます。最後の藤岡藤巻と大橋のぞみの主題歌は監督の思惑通り大合唱になっておりました。ということで★★★★☆ブラボーとさせて頂きます。


2008.7.23追記
公開3日間の動員が「千と千尋」を抜いたとの報道興行収入が低いことからも子供のお客さんが多いのが理解できそう。