take-bow2007-07-01

すべては疑いうる。
最近の研究の中には、この歴史的大発見を贋作であるとする研究が発表されている。そんな研究者をしても「あまりの美しさに立ちすくんでしまった」と言わしめ、彼は「とても二千年の歳月を経た遺物には見えないこともあって、疑惑はますます深まった」と結論づけている。私は三浦佑之先生のこの見解に完全に同調するモノではないが、何回見ても「あまりの美しさに立ちすく」むことに関しては完全に意見の一致を見る。
国宝展の度に見ているので、合計3回ほど鑑賞しているが、いつも人がいっぱいだ。ここには日本人は何でも群れたがる、というだけではない問題をはらんでいる。そのブツが金だから群れているのだろう。モノとして・歴史的に・文物として・使用価値的に評価しているのではなく、である。だとすると、残念ながら三浦先生の見解にもっとも不利な事実に思いが至ってしまう。つまりこんな高価な金を使ってまで何故贋作を作らねばならないのか、という点である。

こんな現代の人々の思いをよそに、このブツは今日も燦然と輝いているのである。


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