take-bow2007-02-10

ドキュメンタリーAn Inconvenient Truthを  六本木まで行ってやっと観た。一瞬だけ大統領になった民主党アル・ゴアが、地球温暖化を啓蒙して歩く姿を追った社会派作品で、全米で話題となった。以前紹介していて行きたかったのだが、 六本木という敷居の高さが災いして今日まで観る機会を逸していた。はっきり言って面白い映画ではないがお客の入りは上々で、平日の昼間なのにほぼ満席であった。

映画は正直言って目新しいことは何もない地球温暖化の現状を科学的・論理的に説いているゴア氏の真摯な姿勢に感動こそすれ、日本人にとっては何も新しい衝撃的事実はない。ところが、アメリカの メディアは
驚くほど興奮した!」New York Daily News とか
「今年1本見るとしたら・・・『不都合な真実』を絶対に観るべき。あなたの一生を変えるはずだ!」The Insider   など
という信じられない反応なのだ。つまり、アメリカ人は地球温暖化を知らないのだ。これこそ問題の所在であり、ゴア氏が訴えているアメリカの無知がある訳だ。彼の喋りはお世辞にも上手いとは言えず何度も睡魔に襲われたのだが、それでも最後まで観られたのは誠実さがにじみ出る人柄と、もしかしたら大統領になっていたかも知れない人物が自分で車を運転したり、鞄を抱えて講演に飛び回るその姿に引き寄せられたと言えるだろう。世が世ならリムジンに乗って、SPの護衛付きで政府専用機に乗っているはずだったのに・・・。そんなことよりも私が驚いたのは、講演の最後に彼は変革の可能性、しかも政治によって地球温暖化を止めることが出来ると信じている点だ。政治にナ〜んも期待していない小生には本当に新鮮な驚きであり、「変化」「改良」「改善」というものが見える政治を行って来たアメリカの歴史に感服つかまつった、といえる。


今日ノ一言六本木に映画は似合わない。。。



2007.2.11追記
「ゴア氏、温暖化防止ライブを企画」の記事を発見。U2やオアシスなどの参加で京都でも開催されるとの予定だそうだ。


2007.2.26追記
本日、『不都合な真実』が第79回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。おめでとう、アル・ゴア