take-bow2006-12-02

各賞を総なめにした話題の作品であったが、未見であった上にウケ狙いの臭いを感じていた。そもそもテレビで映画というのは邪道中の邪道、という感じがして我ながら「いかがなものか」とは思っていたが、見てしまった。初めから批判的に見ていたのは、同年の「パッチギ!」を絶賛していた小生としてはいくら何でもそんなには良くないだろう、との決めつけがあったのだ。
作品は1958年の出来事で、小生といえども生まれてないので記憶には無い。だが、メチャメチャ懐かしい。3輪のミゼットは勿論。都電の姿。そして白黒テレビ。そういえば新しい冷蔵庫に頭突っ込んだなぁ、などとアッという間に引き込まれておりました。原作の漫画とは違った魅力が映画版には込められており、CGの技術によって丹念に再現されていた。これだけ綺麗に復元されると、時期はずれても昭和の記憶が強い小生には「臭い」が甦ってくる。日本が健全に、前向きに、マジメに生きていた時代だった。貧しかった。物、金、贅沢は無かった。でも、心豊かだった。その部分へのノスタルジーが日本アカデミーなどに輝かせたのだろう。これは井筒監督、分が悪いで。ほんま。続編も作られるという。あまり期待しないで、待っている自分がいる。

そういえば駄菓子屋で「スカ」ばっか引いてたなぁ、あの頃から。。。