木島櫻谷展をやっと見る

take-bow2018-03-06

六本木にある泉屋博古館分館で開催されている木島櫻谷展をやっと見てきました。泉屋博古館って全く縁が無かったので、初めて行きました。六本木一丁目駅から直結したアクセスの良さはとても素晴らしかったのですが、何せ小さくてあっという間に見終わってしまうのがちょっと残念でした。夏目漱石が批判したという「寒月」を実際に自分の目で見て感じてみたいと思っていたので、ほとんど混んでいなかった本日はラッキーでした。銀泥(?)をベースに月夜の竹林が描かれているのだが、確か漱石は狐に対してダメ出ししていたと記憶している。展示してあった他の作品ほど豪快さは無いけれど、雪の竹林で食料を探し求めるケモノを描いた作品として不適切とは思えませんでした。後年、得意とした狸にしなかったのはなぜかと疑問には思ったけれど。屏風ほど大作で無いが、月や竹林と狸を描いた掛け軸が私的には好みだった。昭和初期までの衣笠近辺なら狸や狐は当たり前だった(現に私の学生時代にもいた)だろうし、モチーフとしてこれらを描こうとするのも当然ことだと思う。学生時代、お屋敷の横を通りながら、木島櫻谷という名前すら知らなかった無知蒙昧を恥じ入るばかりです。