特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」を見る

take-bow2018-02-20

学生時代、よく行っていた仁和寺の改修に伴う特別展が上野の東博で開かれている。葛井寺の千の手を持つ千手観音が見たかったので、仕事の合間に無理をして鑑賞してきた。チケット購入時に40分待ちですと言われたが、実際には15〜20分ほどで中には入れた。ただ問題は、お年寄りが多いので人数的には大したことなくても渋滞を起こし、混み合っている感が半端ない。前半の古文書や軸などは小生的には欠かせない内容なのでもう少し丹念に見たかったが、やむを得ずかなり飛ばし気味になってしまった。お目当ての千手観音は最後の最後に出てくるので、そこまで体力・観察眼を落とさないようにしなければならない。予想通り圧巻の現物は360度から見ることが出来、手がそれぞれ救いを求める形を表しているのが見て取れる。お顔は十一面観音像となっており、後の仏像群では簡素化された千手観音と十一面観音像とに分かれていったのではないか、と思った。創建時の本尊と考えられる阿弥陀如来像は言うまでも無く、素晴らしいが京都で見ているからか感動が少ない。門跡寺院ならではの各時代の天皇の宸翰が見られたのも良かった。初見で発見が多かったのは、子島寺の両界曼荼羅(私が見たのは金剛界)、『新修本草』、龍華寺の菩薩座像、道明寺の十一面観音像だ。他は国宝指定を受けているのだが、龍華寺の菩薩座像は(理由は分からないが)まだ文化財としての手厚い保護は受けていないようだ。一見の価値があると思う。