take-bow2014-01-19

今年は日本史の受験生を担当していたので、初日に行われた日本史Bについて気になった処を記しておきたい。大問6、小問36の形式は例年通りで各予備校の講評も概ね例年通りとか標準とか、やや易化と評価している。公民を担当することの多かった身からすると、単純な設問が多く学習を積んだ者には30分もあれば十分すぎるであろう。第1問がテーマ史で古文書を用いた社会・経済・文化を問う問題で、第2問が原始・古代史で交通を題材にしながら政治や文化も問う問題になっている。第3問は中世史で「東大寺の再建」(金沢文庫の展覧会を見ていると良かったのだが)を中心に政治・経済・文化を問い、第4問は近世史で「旅」を中心に文化・外交を問う内容になっている。第5問は近代史で「明治期の租税制度」を問い、第6問は「手塚治虫」の一生をモチーフに近現代史を概観する内容になっている。これらは形式上、例年と全く同じなので、以下気がついた点を箇条書きにする。
1.史料問題が多くて、焦った人もいるかも知れないが、冷静に読むと決して難しい内容の設問ではない。
2.グラフ・表の読み取りは年代を押さえているかを問う内容になっている。しかも小問6などは10年ごとの選択肢なので、キチンと取って欲しい問題だ。
3.並べ替えの問題(5題出題)が唯一6択なのだが、その内3パターンしか使われていない。選択肢の作り方が単調で、公民とは比べものにならないほど易しく感じてしまうのは小生だけであろうか。
4.全体的にはとても良い問題なので、これから私大入試に突入する諸君はよく復習して欲しい。具体的は誤文の「誤っている」箇所を正しく訂正する、などとても役に立つので実行して欲しい。