思い出の中嶋嶺雄

take-bow2013-02-20

中国研究家の中嶋嶺雄氏が亡くなった。小生にとっては中教審の委員や国際的に通用する大学めざす学長としての氏ではなく、現代中国を冷徹な目で分析する若かりし日の氏の姿である。院生時代に氏が書いた『現代中国論』は当時のプロレタリア文化大革命(文革)後の熱情の中で、余りに冷たい目で中国社会が抱える問題点を切り裂いた、その姿に中国研究を志す者は驚愕し反問し納得した。毛沢東中国共産党に対する賛美の嵐の中、氏は中国の抱える矛盾を鋭く喝破した。大多数の日本人には受け入れられなかった事だろうし、厳しい批判にさらされたこと思う。現在、中国を批判的に見るという当たり前のチャイナ・ウオッチャーの視点の元祖は、中嶋嶺雄氏の研究にあったと言える。思っていたよりもお年だったので、若干ビックリしつつ、ご冥福をお祈りいたします。
               合掌