take-bow2010-01-20

センターの結果が良かった人も、今イチだった人もぜひセンターの問題を使って、再度見直しをしてみよう。そのためにほんの少しでも役に立てば、との思いで記す覚え書きです。ミスなどがありましたら、ご連絡下さい。引き続き、受験生諸君の奮闘を期待します。

以下の番号は小問1〜36である。

1.源氏の活動歴を並べ替える問題。Ⅰ源頼信平忠常の乱、Ⅱ源義朝(平治の乱)、Ⅲ源頼義・前九年合戦がヒントなので、容易に解けると思う。武士が、東国・瀬戸内で反乱(制圧する側も)を起こす存在→地方で内乱状態を起こす存在→院警護をする存在→都で内戦を担当する存在→政治を牛耳る、という変化を理解すること。
2.御恩は土地に関わる権限である点は「本領安堵」などの用語とともに理解すること。国(地方)には朝廷の国司・幕府の守護の二重支配の下に置かれていることを押さえよう。
3.天領は幕府の直轄地、惣掟は惣村の結束を確認、銭に換算するのは貫高制。消去法で解ける基本問題。
4.流鏑馬・犬追物(・笠懸)は騎射三物とよばれた。寄親・寄子制は戦国時代の主従関係。②は「通じて」が正しくない。
5.熊沢蕃山は中江藤樹に学んだ陽明学者であるが、『大学或問』などの著書で幕政を批判し、古河に蟄居謹慎させられ一生を終わっている。
6.文化史は苦手だという人も多いことと思う。中でも思想史となると、より難易度が上がると思う。陸羯南国民主義高山樗牛の日本主義→個人主義日蓮主義への変化、押さえておきたい。
7.史料のイは、「二つの寺院」で蘇我氏創建で分かる。
8.ある皇子(王)が聖徳太子(厩戸皇子)と分かるし、これも基本問題。
9.初見の史料でも読みこなせれば出来る。古典の力が必要。
10.9c.検非違使→10c.滝口の武士への変化の入れ替えに注意。
11.aは安和の変の説明。cは図・甲をよく見れば瓦葺なのが分かる。
12.政治権力の中心が、Ⅲ蔵人頭→Ⅰ摂政・関白→Ⅱ院という流れが分かっていれば容易。Ⅱの「院の命令を伝える文書」が16.の院宣。重複して確認できるようになっている。
13.「南無妙法蓮華経」の題目を唱えるのは、日蓮の教えの根本。仏壇に掲げられる通称「ひげ曼荼羅」=法華曼荼羅の真ん中に描かれている。頂相は教科書通りの説明で平易。
14.法然(1133-1212)の活動時期は、平安末期から始まっていることを理解しているかがカギ。③④の引っかけにかからないように。
15.「重源」「南都」で奈良の東大寺は平易。この際、ついでに復習を。①室生寺金堂(女人高野)、②東大寺南大門(天竺様・金剛力士像・運慶快慶)、③平等院鳳凰堂(寝殿造・定朝)、④円覚寺舎利殿(唐様)。
16.北畠親房の『神皇正統記』は基本中の基本。「綸旨」は二条河原落書の「此頃都ニハヤル物 夜討 強盗 謀綸旨・・・」を思い出して欲しい。
17.Ⅰ応仁の乱、Ⅱ応永の乱、Ⅲ嘉吉の乱なので並べ替えも平易。
18.X年行事で博多、Y朝倉氏の城下町で一乗谷。地図も迷うところがない。bは堺、dは小田原らしい。Yの「集住」は4.とリンクする。
19.かぶき者は格好・風俗や文化的な側面が強く江戸前期まででやがて消えていく。これに対して江戸後期、博徒などの形で生産活動に関係しないアウトサイダーが無宿人となる。イの生類憐みの令は間違えようが無い。
20.X「大君」→「日本国王」に改めた。再び戻すのは享保年間。Yは基本中の基本。
21.甲 尾形光琳「燕子花図屏風」で、b宗達以外に本阿弥光悦の影響をうけ、後の琳派を構成する。乙 は人形が見えるので、人形浄瑠璃竹本義太夫は基本。ここから義太夫節文楽という流れが現在に繋がっている。
22.エのヒント「実技を中心とした軍事教育」から、翻訳・学問の「開成所」はない。
23.Ⅰ1708、Ⅱ1811蕃書和解御用が洋学所を経てリード文の蕃所調所となる、Ⅲ1720蘭学の始まり。
24.②将軍後見職徳川斉昭ではなく、子の一橋慶喜
25.経済史の基本中の基本。不換紙幣乱発→貨幣価値の下落→物価高(インフレ)を再確認。
26.③黒田清隆ではなく大久保利通
27.a「ガラ紡」→臥雲辰致は、cの1877第一回「内国勧業博覧会」で受賞した。ちなみに後者を開いたのは、大久保利通であった。
28.Ⅰ18881、Ⅱ血盟団事件は1932。前蔵相が井上準之助三井財閥の幹部が団琢磨。Ⅲ1874の並べ替え。
29.アは現在の「みずほ銀行」の前々身。確かに三井銀行とは関係が深かった。イの大阪紡績会社はイギリスを手本とした大規模機械化工場だった。
30.③隈板内閣を問う基本問題。④は大正時代で、第2次大隈内閣なので注意。
31.a日本国有鉄道1906の鉄道国有化で基礎が出来、公社としては戦後の1949に成立。1987に分割民営化された。Yは基本中の基本。
32.自由民権運動Ⅰ→国会開設の詔Ⅲ→選挙Ⅱ&帝国議会という流れを考えれば平易。
33.②軍部大臣現役武官制は1900第2次山県内閣→1913第1次山本権兵衛内閣が削除→1936広田弘毅内閣が復活。答えではないが、別の試験で出ることだろう。
34.グラフの簡単な読み取り。1931が「満州事変の起こった年」と分かっていれば平易。
35.Ⅰ東海道新幹線東京オリンピックに間に合わせた1964。Ⅱ田中角栄の著書『日本列島改造論』1972から。Ⅲ白黒テレビ放送は1953。NHKと日本テレビ
36.③「河上肇」ではなく、「柳田国男」が正しい。