take-bow2010-01-17

今年も入試の季節となりました。昨日から始まったセンター入試の初日、1時間目の「公民」は小生が教える生徒諸君の受験科目であります。祈るような気持ちで問題公表を待っていたのですが、その「現代社会」は予備校の講評で軒並み「例年よりやや難化」の判定。早速、本日朝から小生も解いてみたのですが、その感想を思いつくままに記したいと思います。

1.やや難しいと感じたのは大問の1・2・6で、特に初っぱなの第1問は受験生に与えるインパクトを考えると、平均点の伸び悩みに繋がるかも知れない。小問1のように正確な知識を必要とする細かな設問が多かったと感じた。
2.大問2の小問6は教科書などで習うことはないように感じた。小問7もマルッティ・アハティサーリなど知らなかったという受験生もいるはず。特に難易度を上げていたのが小問8で、三大宗教の特色を理解するだけでなく、その信者が多い東南アジアの国との組合せを答えさせるために出来が気になるところだ。小問9の難民条約は直前に演習授業でやっているので、出来て欲しいところ。小問10も所詮、GDPとGNPの違いを理解しているかを試す作問となっているので、本当は出来て欲しい。小問12は「2008年以前の状況」という補足が付かないと設問として成立が危ぶまれる。悪問だ。
3.グラフの読み取りは単純なモノが多いので、時間があれば引っかからないと思うが、特に小問15のように選択肢を8つも用意されるとキツイような気がする。人の発達を問う小問17も作りが複雑になっていて、引っかかる受験生がいるような気がする。予備校は「平易な問題」という評価なのだが。
4.大問の34でやっと息をつける感じの構成って、受験生には辛いと思う。
5.大問5はやや知識をニッチな方向に向けているように思う。特に小問25で「ニッチ産業」のニッチが英単語のnicheだと結びつかなかった受験生もいるのでは。また、この大問5は最後にリード文に照らして判断する小問31をもってきている。リード文の「[あり得る]」で共通する3ケースを見つけられるかがポイント。
6.大問6は2択までもって行けるけど、その後が・・・という感じの設問が多い。小問32はタイ・マレーシアよりもBRICsを思い起こす受験生の方が多いと思う。またASEAN+3という(外務省には申し訳ないが)見慣れないキーワードが複数出てくるのは受験生の動揺をもたらすように思える。だが、小問35のグラフの読み取りも後の4つの条件から落ち着いて答えられると思う。

以上、思いつくままに記してみましたが、「現代社会」受験の諸君にはちょっとキツイ作問だったように思います。昨年並みを期待していたので、小生の教え子たちがどれだけ善戦してくれたか、祈るばかりです。