take-bow2007-05-13

国宝とよばれる至宝群を意識的に見るようになったのは、何度目かの「国宝展」の時からであった。記憶が定かではないのだが、京博で見た覚えがあるのだけれど大学のOB会の流れで二日酔いのため何を見たのかさえ覚えていない回もあった。また、仏像が駄目な小生は見るモノも限られていたということも弱点であった。
そんな時に触れたのが、この作品。11世紀初頭の銅鏡にエッチングされている蔵王権現も凛々しいが、何より左下部が大きく欠損している。この状態の悪さを吹き飛ばすほどの作品ということなのだ。焼き物なら割れていては駄目であろうし、絵画なら下四分の一が無いなんて考えられないだろう。その点、この種の工芸品は許容範囲が広い。そして何よりこの作品は小生にとって地元の国宝なのだ。まさかこんな近くに国宝があろうとは。しかも上野で見ているのだから、何でここまで来なきゃならんのじゃと吃驚。以前、京都栂尾高山寺で鳥獣戯画のレプリカを見て、ホンモノは上野の東博と聞いて愕然としたのを思い出した。それほど上野の東京国立博物館は至宝が見れる素晴らしい場所なのだ、と再認識させられたと同時に、身近にもお宝があるモノなんだと知った。ぜひ、一度下町は足立の西新井大師にお越し下さい。この国宝が安置されていた御堂のせこさに驚愕されること、請け合いです。


ご案内
〒123-0841  東京都足立区西新井1-15-1  西新井大師 總持寺  電話:03-3890-2345ただし国宝そのものは上野の東京国立博物館