顔真卿の名品「祭姪文稿」を見る

take-bow2019-01-23

東京国立博物館で開催されている「顔真卿展」に行ってきた。台湾の故宮博物院が誇る名品「祭姪文稿」が展示されているので、昨年から楽しみに待っていた展示だ。思ったよりは混んでいなかったが、流石に「祭姪文稿」の展示スペース(第1会場最後)だけはスゴク待たされた。並んでいると、何か違和感に気づいて周りを見回すと、ほとんどが中国からのお客さんらしく、日頃並ぶのに慣れていないらしく、雑然としていてこの種の展示とは違って詰めて並ばないのでより時間がかかった。書に関しては詳しくないので、素人には書道史が概観できるような形になっており、とても勉強になった。どうしても拓本が多いのだが、中国の方々は見慣れているのかさっさと飛ばしてみていく。犬養毅が所蔵していた作品もあり、木堂の印が押されていて名品なのだと分かるという心許ない小生のレベルに情けなさが増す。西安の碑林や龍門にも行っているので、拓ではなく現物を見ているはずなのが、情けない次第だ。後半の第2会場はさして混んでおらず、顔真卿の真筆「自書告身帖」もゆっくり見ることができた。その後、日本の三筆・三蹟など王羲之顔真卿に影響を受けた作風の作品を楽しむことができる。しかし、こちらはもはや中国の方々の関心では無いらしく、じっくりと鑑賞できる。帰ってからネットで(特に中国で)ニュースになっていると知り、あの混み様を理解した次第である。